【短編】『おもいで文集』
……『あの日以来だよね。』
思い出した。
『ずっと泣いて、これでもか!ってくらい泣いて、そして蓮が慰めてくれたんだよね。』
蓮は『覚えててくれたので良かった…』と呟いた。 そして笑顔をみせた。
未南子はコーヒーを一口飲んだ。
『笑顔変わらないね。その綺麗な笑顔…』
蓮の笑顔は綺麗だった。人を一瞬で和ませる。あの頃の私もきっと何度も和まされ癒されたんだろう。
『でもどうして判ったの?私だって』
『未南子が忘れられ無かったんだ。なんか気になってて。中学を卒業しても高校入っても…だからバイトをしてた頃とかは店の人に未南子って人を知らないか?って聞いたりしたんだ。ほら、未南子って漢字は珍しいだろ?だから見つかる気がして』
…誰か私を知る人がいたんだろうかな?
『でも結局、誰も知らなくて…今日偶然見つけたんだ!これを拾って』
それはさっき来る前に寄った、リサイクルショップの領収書だった。
後でお金をもらう時の証明書になるはずの。
―多田未南子
そう書いてある紙だ。
『嬉しかった…。未南子なんだもん』
思い出した。
『ずっと泣いて、これでもか!ってくらい泣いて、そして蓮が慰めてくれたんだよね。』
蓮は『覚えててくれたので良かった…』と呟いた。 そして笑顔をみせた。
未南子はコーヒーを一口飲んだ。
『笑顔変わらないね。その綺麗な笑顔…』
蓮の笑顔は綺麗だった。人を一瞬で和ませる。あの頃の私もきっと何度も和まされ癒されたんだろう。
『でもどうして判ったの?私だって』
『未南子が忘れられ無かったんだ。なんか気になってて。中学を卒業しても高校入っても…だからバイトをしてた頃とかは店の人に未南子って人を知らないか?って聞いたりしたんだ。ほら、未南子って漢字は珍しいだろ?だから見つかる気がして』
…誰か私を知る人がいたんだろうかな?
『でも結局、誰も知らなくて…今日偶然見つけたんだ!これを拾って』
それはさっき来る前に寄った、リサイクルショップの領収書だった。
後でお金をもらう時の証明書になるはずの。
―多田未南子
そう書いてある紙だ。
『嬉しかった…。未南子なんだもん』