【短編】『おもいで文集』
海に着くと、未南子は靴を脱ぎ裸足になって砂浜に走った。
少し肌寒く感じる。
でも砂は少し暖かく感じた。
走り飽きると砂浜の上に座った。
蓮も隣に座る。
懐かしい中学の話でまた盛り上がった。
そして話が尽きると、蓮は聞いた。
『今日、なんであのカフェで一人だったの??』
――言っても良いのかな。
また人を失ったと。
未南子は悩んだが、言うことにした。
『今朝ね、彼氏の浮気を見つけたの。私なりに愛してたんだけど…ダメだったみたい。結構ショックで。仕事休んじゃった。』
蓮はまじめな顔して未南子をみた。
『ね、未南子のことを今更だけど守りたい。あの日からずっと思ってたんだ』
沈黙が続いた。
未南子は涙を流している。
『本当にそうしてくれる?』
『うん。絶対。何があっても』
ふと、蘇る。
白い布を被せられた親の前で私が取り乱してるときに、蓮が抱きしめてくれたこと。
なにも言わずにギュと。
確か私は泣き止んだ気がする。
でも一人で家に居たその夜はずっと泣いていた。唯一泣き止んだ時間が抱きしめられた時間。
寂しい、寂しいよ…
あの時、ずっと思っていた。
でもいつの間にか…おばあちゃんと暮らしてく内にそれが消えて、おばあちゃんと別れたときはあの時より悲しまなくて、自立していく度に強くなったのではなくて強がっていったんだ。
『寂しい、寂しいよ』
蓮にもたれ掛かりながらつぶやいた。
『おねがい…側にいてくれる?』
『大丈夫。離れないから』
少し肌寒く感じる。
でも砂は少し暖かく感じた。
走り飽きると砂浜の上に座った。
蓮も隣に座る。
懐かしい中学の話でまた盛り上がった。
そして話が尽きると、蓮は聞いた。
『今日、なんであのカフェで一人だったの??』
――言っても良いのかな。
また人を失ったと。
未南子は悩んだが、言うことにした。
『今朝ね、彼氏の浮気を見つけたの。私なりに愛してたんだけど…ダメだったみたい。結構ショックで。仕事休んじゃった。』
蓮はまじめな顔して未南子をみた。
『ね、未南子のことを今更だけど守りたい。あの日からずっと思ってたんだ』
沈黙が続いた。
未南子は涙を流している。
『本当にそうしてくれる?』
『うん。絶対。何があっても』
ふと、蘇る。
白い布を被せられた親の前で私が取り乱してるときに、蓮が抱きしめてくれたこと。
なにも言わずにギュと。
確か私は泣き止んだ気がする。
でも一人で家に居たその夜はずっと泣いていた。唯一泣き止んだ時間が抱きしめられた時間。
寂しい、寂しいよ…
あの時、ずっと思っていた。
でもいつの間にか…おばあちゃんと暮らしてく内にそれが消えて、おばあちゃんと別れたときはあの時より悲しまなくて、自立していく度に強くなったのではなくて強がっていったんだ。
『寂しい、寂しいよ』
蓮にもたれ掛かりながらつぶやいた。
『おねがい…側にいてくれる?』
『大丈夫。離れないから』