【短編】『おもいで文集』

―改めて。

私は蓮について行こうと思う。
いや、守られたいと思う。

きっと私は蓮が好きだったんだ。

知らないうちに。

だから忘れていた。

今改めて、好き。


『いいよ。私、蓮が必要』

涙がでた。


私はまた声を出して泣いた。
あの日のように。
今度は悲しくて泣いたんじゃない。

なんか、今までのことを忘れ去るように。
今まで辛かったことを全部投げ出すように。

幸せへと進む自分に感涙したんだ。


すると、蓮は私をギュと抱いた。

懐かしい。

今でも変わらない。
私の事を抱きしめてるのに私の首にもたれ掛かるところ。

どっちが抱きしめられたのか端からみたらわからない感じが。


気がつくと空は青空から夕焼け空に変わっていた。
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