【短編】『おもいで文集』
ベランダに出ると、
いつもの小鳥の『チュン』の鳴き声が全く聞こえない。
その代わり若い男と女の声が聞こえた。
『好きだよ!』の言葉が近所中に響いている。
『めっちゃ好きィ~』
女の甲高い声が響く。
そして男は『好きだよ』と叫んで道の真ん中でキスをした。
当たり前のように路上キスをしていた。
まじうざい。
すごくうるさい。
『好きだよ』と叫ぶような声聞いてて、痛かった。
でも痛みを感じたのは、うるさいからだけの理由ではなかった。
気づいた。
気づいてしまった。
なんか見覚えある顔。
よ~く目を細めて2人をみると…
なんと
男は、私の彼氏だった。
一昨日、私に『好きだよ』と何度も囁いた彼だった。
同じ言葉を私に言ったはず。
目を細めるのを止めた。
普通の目でジっと彼をにらんだ。
一瞬こっちを見たが、なにもなかった。
私はムカっときたから
『死ね!』と叫んだ。
彼はまたこっちを見たが、知らないふりをして堂々と歩いている。
言葉を選べば良かった。
とたんに後悔した。
でもとっさに出た言葉がそれだった。
いつもの小鳥の『チュン』の鳴き声が全く聞こえない。
その代わり若い男と女の声が聞こえた。
『好きだよ!』の言葉が近所中に響いている。
『めっちゃ好きィ~』
女の甲高い声が響く。
そして男は『好きだよ』と叫んで道の真ん中でキスをした。
当たり前のように路上キスをしていた。
まじうざい。
すごくうるさい。
『好きだよ』と叫ぶような声聞いてて、痛かった。
でも痛みを感じたのは、うるさいからだけの理由ではなかった。
気づいた。
気づいてしまった。
なんか見覚えある顔。
よ~く目を細めて2人をみると…
なんと
男は、私の彼氏だった。
一昨日、私に『好きだよ』と何度も囁いた彼だった。
同じ言葉を私に言ったはず。
目を細めるのを止めた。
普通の目でジっと彼をにらんだ。
一瞬こっちを見たが、なにもなかった。
私はムカっときたから
『死ね!』と叫んだ。
彼はまたこっちを見たが、知らないふりをして堂々と歩いている。
言葉を選べば良かった。
とたんに後悔した。
でもとっさに出た言葉がそれだった。