【短編】『おもいで文集』
風呂を上がる。
シーンとした部屋にラジオを流す。
普段聞いたことのないラジオが聞こえる。
きっと―上品な奥様―と呼ばれる主婦の人が聴くような番組。
洒落たカフェで流れるようなジャズが聞こえた。

ドライヤーで髪の毛を乾かして
着替えて…。

遅めの朝食を取る。

こんなゆっくりした朝食は久々だ。

ブレッドにコーヒー。


でも一瞬でも
―さっき―
のことを思い出すと…気持ちが沈む。

そしていつ自分が壊れるか冷や冷やする。

自分でも壊れるのがいつかわからない。



とりあえずジャズで気持ちを落ち着かせた。
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