秘密のMelo♪y②*パリ編*
――楓サイド――
日本に帰ってきて数日。
夏休みに入ろうかという時ということもあって、学校にはもう行かなかった。
「しっかしまあ、大変なことになってるよ、学校。しかもそのうちの八割は…」
『嘘! 星野くん絶対武藤さんと付き合ってると思ってたのに!』
「……ってさ。どっちにしろ一緒なのにね。あはは」
あははて。
のんきなやつだな…。
のんきに笑うこいつは、連日うちに押しかけている。
「岬先生と佐藤先生なんて、知ってるもんだからもっと大混乱さ」
芝居がかった仕草で、口調で、可笑しそうに言う蓮二。
「一度行ってみなよ。面白いことになるよ」
「ぜってぇやだ」
この野郎“人の不幸は蜜の味”派だな。
…嫌とはいっても、一ヶ月ちょっとすればどちらにせよ行かなければならない。
それは真裕も例外ではなく…。
すでにもうだいぶ欠席してしまっているし、できればもう休みたくはない。
宝院はエリート校なだけに、入学だけでなく卒業資格のラインも高い。
色んな意味で特殊な学校だし…。