秘密のMelo♪y②*パリ編*
――楓サイド――
真裕の父親だし……絶対普通じゃないとは思ってたけど、まさかここまで漫才みたいなことやってのけるとは思わなかった。
そしてなぜ俺は誰もから真裕の彼氏だと言われる。
どう見たらそう見えるんだろうか。
明らかに真裕が俺の子みたいになってんのに。
歳の差二つでもそう見えるあたりがすごい。
「君……」
「あ、はい」
考え事をしていると、真裕父がまじまじと俺の顔を眺めてきた。
「……」
「君……なにもんだね?」
「…………は?」
…やっぱり。
やっぱり間違いなく、真裕は父親似だ。
「ちょっ、君までなんだその目は! 何を想像してるんだっ。そうでなくてだな…」
慌てて弁解の素振りを見せると、咳払いをして真裕曰く仕事モードに入った。
「真裕の性格は知っているな?」
「ええ、まあ」
「だがな、あいつはあれでものすごーい人見知りなんだ」
「……」
……あれで? あいつが?
……いや。そりゃ世界がひっくり返るよりあり得ねぇ。