秘密のMelo♪y②*パリ編*
テレビのまん前を陣取って、ぽうっとかっくんを見つめるあたし。……と、梨音。
後ろで父様達は唖然としていた。
『彼の演奏は久しぶりですね?』
『そうですねー。さすがとしか言いようがありませんな』
テレビのコメンテーター達が感嘆のため息を漏らしながら呟くように言う。
「邪魔っ邪魔! かっく~ん!」
「いや…真緒。テレビに言ったってね?」
「そこらのミーハーと何が違うんか、俺にゃようわからんで」
「相手からも思われてるってところが決定的に違うわよ。それだけだけどそれがすべてよ」
「まあ…なぁ…」
交響曲第七番だ。
まおも好きだお。
一緒にやりたいなやりたいな。
「まおや? ぬし、彼と喧嘩してたんではないのかね?」
「誰が?」
「や、だからお前さんが」
……喧嘩?
まおが? 誰と? …え、かっくんと?
「……そおなの?」
「違うの?」
「違うお」
なに言ってんの父様ってば。
やあねもう。