秘密のMelo♪y②*パリ編*

…あえて説明するならば。


俺が声をかけようとしたのを遮ったかと思うと、あろうことかまだ何段もある階段を考えなしに飛び降りやがった。

当然……持っていた荷物も投げ捨てて真裕をキャッチしに行くわけだけど。

なんとか受け止めたはいいものの、今度はまた子供のように泣き出したのだった。




「……ま…」


「ふあ~んっ…会いたかったのに会いたかったのにかっくんのばかぁ!」


「……」


だから来てやってんじゃねぇかよ。

待ってりゃお前も帰ってくるところを、わざわざこんなとこまで来てやってんじゃねぇかよ。

馬鹿ってなんだてめぇ。


「まおかっくん大好きなのにかっくんまおのこと置いてったぁ!」


「だからそれは…」


「蓮くん一緒に行ったのに~!」


「……は?」


蓮二?

…いやいやいや。蓮二関係ねーだろ。


…こいつマジで忘れてんじゃ…。

出る直前のこと忘れてんじゃ…。


「ふぇ~……かっくん…まおのこときらい?」


「は?」


突然脈絡もなく飛び出た一言に、思わず眉を寄せて聞き返す。


…何がどうなればそうなる?


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