秘密のMelo♪y②*パリ編*
え……。
なに…? なんか…。
―とくん…
なんか……。
胸の奥が、痛い。
「かっ……!!」
もう一度、名前を呼ぼうとしたとき。
それを遮るように、かっくんの唇があたしのそれに重なっていた。
ずいぶんと長い時間だったように思う。
実際はほんの数秒程度。
なのにあたしには、何分にも何十分にも感じた。
「……」
「……」
やがて静かに離れたかっくんは、黙ってあたしを抱きしめた。
強く、強く。
「…都合のいいようにしか受け取んねぇぞ」
「うん…?」
なんかよく分かんないけど……それでいいんだよ。
…たぶん。
「ハア……。あの五年より、この数か月のほうが長かった気がする…」
「ごねん?」
「いいんだよお前はもう」
「?」
…ふふっ。いいんだって。