秘密のMelo♪y②*パリ編*
男はつらいよ悲しいよ
―――……
それから時計を見ると三十分は経ってなかったので、野木さんが待っているであろう外へ二人こそこそ戻った。
あたしはともかく…かっくんはね。
「お嬢様! よかったお嬢様…迷ってしまわれているのではないかと…星野様ではないですか。本当にいらしてたとは…」
「本当にって…」
「いやーほんと、ばっちしなタイミングだったねぇ! あはは。まおって運いいな~」
「……」
「お嬢様、もうこのようなことはお控えになってくださいね」
「お前無謀なやつだな…。知ってて来たんじゃねぇのかよ」
呆れかえるかっくんの腕にしがみついて、車のほうへ引っ張った。
「りんりん達が待って……ああ! りんりん達!」
わっすれてたー…。
なんにも言わず飛び出てきちゃったんだっけ。
…まいっか。
「梨音も楽しみにしてるよきっと。…あ、そおだ! かっくんテレビに映ってたね! かっこよかったぁ~❤」
「テレビ……。放送されたのかこっちでも」
「うん。途中で金髪のバラ咥えた気持ち悪いヘンな男に邪魔されたけど」
「……は?」
あいつさえ出てこなきゃずっと見れてたのに~。
…まあ、実物が今いるんだからいいか!