秘密のMelo♪y②*パリ編*
――楓サイド――
ぶんぶんかぶりを振りながら、涙目で訴える真裕に思わず傾きそうになった。
…が、しかし。
さすがにそういうわけにはいかない。
周りが言うように、俺達が付き合ってるとかいうんならともかくだ。
どうしてシングルに男女二人が泊まれよう。
まっさらで、ただ純粋に寂しいとしか思わない無邪気なこいつとは違うんだよ俺は。
「あんな真裕? 婚約ってーのはお前の親父さんが勝手に盛り上がった話だろ?」
「うん…?」
話が全く読めていない真裕にゆっくり諭す。
「つまり俺とお前は、修平とお前みたいなそういう感じなんだよ」
「どこが?」
「……」
どこ…が?
……また難しい質問の仕方をしやがるなこのやろう。
「だから…。お前、修平のことは?」
「好きだよ」
「蓮二は?」
「好きだよ」
「じゃあ俺は?」
「大好き」
「だからそういうこ……」
……なんだよその大好きってーのは。