秘密のMelo♪y②*パリ編*

「やだもんやだもんかっくんがいーいっ!」


駄々をこねる姿は何度も言うように子供のようだが、今はそんなことはどうでもいい。


よく考えりゃこいつ……全部無自覚でやってんのかあれ?


『かっくんがいなきゃいや!』とか言ってみたり。

『まおのかっくん取らないで!』とか言ってみたり。

寂しい怖いと抱きついてみたり。



…今の今まで全く気付かなかった自分も、大概馬鹿なんだと思う。

これじゃまるで俺を好きみたいなそういう態度じゃねぇかこのやろう。


…そりゃ……誰でもそう思うわな…。


「真裕……」


「なあに?」


「……ハア…」


こんなのに五年も惚れ続けたどっかの誰かを……挙句今も完全に参っているどっかの誰かを。

できれば蹴飛ばしてやりたい。


「…分かったから泣くな。な?」


……しかも甘過ぎる。

こんな甘やかしてたらどう育つか分かったもんじゃ…。


…あんの親父がくそ甘やかしやがったからこうなったんだな。



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