秘密のMelo♪y②*パリ編*
まあそういうサービスはあったはずだし…。
「お前頼め」
「にゃ?」
「フランス語は聞けるが喋れん」
「……そんな堂々と言わなくても」
「あ?」
「いえっ。なんでもありません!」
喋れるのはせいぜい英語くらいなもんだ。
聞ければ喋れるだろうと思えば、意外とそうでもない。
簡単な単語とかならいけるけど、文章がこれまた複雑だったりする。
聞くだけなら大体ニュアンスが分かってりゃ分かるもんなんだよ。
「どうやって頼むの?」
…当然そんなことなどしたことのあるはずがない真裕。
きょろきょろ部屋中を見渡してそう言う。
一から全部ああしろこうしろと説明しながら、下に降りた方が絶対に早いと何度も思ったのだった。
「……終わったっ? 終わった?」
「ああ…」
なんで電話一本するのにこんな疲れるんだよ…。
「いつ来るのいつ来るの?」
「知らねぇよ」
「えーっ」