秘密のMelo♪y②*パリ編*
つながらない赤い糸
――楓サイド――
「ほらほら行くよ“かっくん”、“しゅっちゃん”」
「お前が言うなやそれ。真緒たんが言うから可愛いんやんけ」
「……」
……もし、この世にタイムマシンというものがあるのなら。
もし、たった一つ魔法でもなんでも使えるのなら。
俺は今、究極に十分前に戻りたい。
「はー……」
俺を引っ張るやつや騒がしいやつのことなんか忘れ、その場で頭を抱えてしゃがみこんだ。
「ん? なにしてんの楓くん」
「…うるせぇ…」
マジだよ…。
何してんだよ俺…。
あいつ……泣きそうな顔してたな…。
相当戸惑ったんだろうな…。
あーくそ。
マジで何してんだ…。
「…どないしてん」
「別に…」
「別にってこたないでしょ。相当ヘンだよ君。真緒ちゃんとなにかあった?」
「ねぇよなんも」