秘密のMelo♪y②*パリ編*
「ま……」
「…?」
「……まおは…?」
「ああ、お前はまだ行方知れずとされて―」
「まおも日本に行く!!」
「…!」
「!」
「…!?」
いつになく強い口調で。
普段あまり主張しない自我を。
不安なときに見せるあの表情で、瞳を揺らしながら言う真裕に少しばかり驚いたのは、俺だけじゃない。
「……残念だがそれはダメだ、真裕」
「どう…して…?」
「日本に帰っても、それはそれで楓くんも大変だろう。そこにお前がいてみろ。さすがに気付かれるぞ」
「……」
今にも泣きだしそうな顔で俺を見る真裕。
さっきのこともあって、俺は……。
…俺は…目をそらしてしまった。
「我慢しなさい。しばらくの辛抱だ」
「……っ」
―バタンッ
「真緒!」