秘密のMelo♪y②*パリ編*
―――…
「楓! 待ちぃな、楓!」
修平が追いかけてきて、強く腕を引いた。
「……」
「お前ほんまにええんか? よう知らんけども…言うことあるんとちゃうん?」
「ねぇよ。離せ」
「離せんわ。真緒ちゃん泣いとったで?」
…分かってる。
分かってんだよ。
あの涙は俺が言ったこととは関係ない。だから今行ってやればあいつは笑うだろう。
でも……その笑顔はきっと、俺の好きなあいつの本当の笑顔じゃない。
無理やり笑わせるようなことはしたくねぇ。
「修平」
「蓮二…!? お前……なんやねんそれ」
「僕も帰るよ」
「はあ…!?」
は?
なに言ってんだコイツ。
「真緒ちゃんは花梨に任せるのが一番だ。じゃあ僕は楓くんと一緒に帰るよ。マスコミに叩かれたとき、一人ってのは面倒だからね」
「蓮二…」
「いいよね楓くん」
「……別に」
なんだよこいつ。
無関心なようで…。