年下彼氏。


「…いってきますっ」


あたしは千春のもとに走っていった。


―――――――
――――


『夢見中学校。合唱曲は、虹』


伴奏者と指揮者がお辞儀をして、始まった。


『広がる空に僕は今、思い馳せ―』


ねぇ、届いてる?


この歌を君に届けるね。


『僕らの出会いを、誰かが別れと呼んだ

雨上がりの坂道

僕らの別れを、誰かが出会いと呼んだ』


出会い。


いつか別れがくるから、浮かれてばかりはいられない。


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