青空と銃声

「常識的に、崖から落ちた重症患者を数時間後にベッドから出すのは無理です。祭りで具体的にどんな事をするのか、我々は知りませんが……もし危険がなくとも、例えば立っているだけでも傷口は開く事が有ります。命に別状は無くても、数か所骨折をしているんです。
とてもじゃないですが許可は出せませんよ。少なくとも、彼には数週間の療養が必要です」

それが、どんな強運の持ち主だとしても。

それはロビンも感じていたことだった。初め彼が崖から落ちたと聞いて、そんな馬鹿な、と思ったものだ。

普通なら死んでもおかしくない。一体どんな運をしているのだ。

「……やはり無理ですか」

ガゼットはその答えを予期していたのだろう。静かに首肯するのみだった。

そして何かを考えながら、黙って話を聞いていたジオンに向き直った。

< 10 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop