青空と銃声
「……ではジオンさん。こうなっては仕方ありません、やはり補佐は私が務めましょう。こう見えても、私もかつては聖職者。私の家では代々、父が村長を、息子が祭祀を継ぐことになっているのですよ。
ですから全くの素人ではありませんし。貴方さえよろしければ構いませんが?」
村長たちは前もって相談していたらしく、彼らの中では既に決定事項のようだった。
後は祓魔師の承諾を得るだけなのだが、その彼がなかなか首を縦に振らない。
しばらく待っても口を開かないジオンに痺れを切らしたのか、村長は尚も言い募った。
「私の家で最初にお話した様に、この祭りは地鎮に近いものです。引退したと言っても土地の浄化程度の補佐なら、問題無く出来ます。サポートの心配はいりません。……それと、もしお連れの方の怪我を心配して居られるのでしたら、万全の治療を致しますし、治療費もこちらで負担しますが……」
どうでしょう、と目で訴える村長を目だけで見返したジオンは、漸く顔を上げた。
そして、唇の両端を持ち上げて答える。
「分かりました。では、結界等の補佐を頼みます。
……それと、治療費も」
最後の、さり気無く付け加えられた一言に、ロビンは村長たちを見た。
(……やられたな)