青空と銃声
あの部屋でしばらく最終的な打ち合わせをした彼は、預かってくれとこれを半ば押し付けて、村長たちと『要』へ出かけてしまった。
その時も、相棒のことには触れなかった。顔すら見て行かなかった。
……彼が本当に預けていったのは、この荷物ではなくあの連れではないのか。
彼が無事と聞いた時の、祓魔師の残念そうな顔を見てしまったロビンは、そう思わずにはいられなかった。
とある部屋の前で運んできた荷物を下すと、ロビンはドアを数回ノックした。
この部屋は、この診療所唯一の病室だった。中にはベッドが二つあり、一番奥の窓際に、目的の人物が寝ているはずだ。
中から小さく返事が聞こえて、ロビンはドアを押し開けた。
すると、間隔を空けて縦に並べられたベッドの奥で、不思議な灰色が振り返るのが見えた。
「あ。丁度良かった。コレ、邪魔だから取っていい?」