青空と銃声

「父さん!!!!」

その目の前に、どん、と音を立てて運んできたコップを思い切り机に置いてやると、飛び上った父は、やっと自分がやるべきことを子どもにやらせているのに気づいたらしい。
慌ててお茶を出す準備を始めた。

「……もう持ってきました。これ父さんの。――お茶菓子も!」

 戸棚を漁る後ろ姿に声をかけて、それからロビンは面白そうにニヤつく祓魔師を睨む。

「それにジオンさんも。下手に父を煽らないで下さい。暴走しますから」

ジオン、と呼ばれた祓魔師は肩をすくめた。

何だか反省の色が見えないが、そもそもこの人は怪我をした相棒が元気だと聞いた瞬間、何故か残念そうな顔をしていたのだ。

きっと厄介な性格をしているに違いない。



軽い疲労感を覚えるロビンの横に、すごすごと戻ってきた父が着席した。
皆が落ち着いたのを見計らって口を開いたのは、村長のガゼットだった。


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