「やったぞ、俺優勝したぞ!全国だぞ!」

県大会が終りるなりすぐに病院まで走って来た俺は息を切らしながらここが病院だということを忘れ思わず叫んだ。でもその叫びは病室に響いただけで返事はなかった。

病室にはベット以外何も、そして誰もいなかった。

病室を間違えたかと思ったが、そんなはずはない、毎日通っていたんだから。

そこにあいつのお母さんが現れた。

「おばさん…あいつは?病室移ったんですか?」

あいつのお母さんは何も言わずただ首を横に振るだけだった。

俺は悟った、逝ってしまったんだね…
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