空の奏
Ⅱ楽章
翌日の朝

「智!おっはよう♪」

「凜、おはよう」

教室で席に着けば前の席の凜が話しかけてくる

「ねぇ、ねぇ、智」

「何?朝っぱらからそんなテンション高いし・・」


私は朝が弱いために不機嫌になる

まぁ席の場所が窓側、一番後ろってことでまだマシなんだけど


「今日さっ!転校生来るんだって!」

「転校生?」

「そう!しかもこのクラスに!」

「ふーん・・(まさか・・翔?)」


昨日逢ったあいつのことを思い出す


「お前らー、席つけー」

「あっ、もう来た!早いし!!」


担任がやってきて凜も前を向く


「えー・・今日はこのクラスに新しい仲間がふえまーす」

「(教師なんだからもっとちゃんとやれよ・・)」


と内心ツッコミつつボーっと前を見る


「じゃあ、入ってー」


その言葉と同時にドアが開き一人の生徒が入ってくる

「(・・!)」

「飛佐井翔(ひさいかける)くんだ」



昨日見たあいつだった

制服だと雰囲気が違う

そう、最初に思った


「はじめまして、飛佐井翔です。趣味は音楽鑑賞、特技はーサックス!吹奏楽に入るつもりなんで、同じ部のやつはよろしくな!」


ニッと笑ってそう自己紹介する

「(今ので、何人かは落ちただろーなー)」


確かに整った顔してるよ、あいつは


「(まー・・無駄に関わらないっと)」


と、窓の方に顔を向けようとしたら・・



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