空の奏
時は流れ昼休み
休み時間にクラスメートから質問攻めにされたのは
言うまでもない
「はぁ~・・最悪」
今日はついてない
とことんついてない
朝っぱらからついてない
そのうえ・・
「なぁなぁ、音楽室はどこにあんだよ?」
「・・今から行くから」
「おう!」
こいつ、飛佐井翔。貴重な昼休みの時間を案内しろって
もちろん断ったんだけど・・
「音羽!知り合いならいいだろ?頼んだぞ!!」
・・って先生がなぁ~・・
「(なるべく先生の印象は悪くしたくないんだよな)」
そう思い仕方なく引き受けた
「ここ、音楽室。ついでに楽器庫はあそこ」
「お~、サンキュな!・・って何で知ってんの?」
「桜藍は吹奏楽が有名なんだ、みんな普通に知ってる」
「ふ~ん、なるほどなぁ」
「わかったなら次、行くけど?」
「ちょ、待てよ!」
小さくため息つきながら音楽室を出て行く
「(翔って・・私が吹奏楽のエースって知ったらどんな反応すんだろ・・)」
そう思いつつ廊下を歩く
既に朝のうちに翔の噂は学校中に広まっているようで
すれ違う生徒たちがチラチラと翔を見てる
噂内容はいたって簡単で
『吹奏楽に入るめっちゃくちゃイケメンの二年』
っていうの
「(ま、私は興味ないけどね)」