甘☆きゅん
「あ、ありがとうございます……」

ちょっと恥ずかしくなって、顔を下に向けると、

「そういう本。読むんだ」

低く優しい声が響く。


顔をあげる………なっ……何この顔……美少年すぎる……


目の前にいたのは紛れも無くありえないほどの美少年だった。

スッと鼻筋が通っていてまつげが長い……そして形のいい唇。


私がその人を見て思った、第一印象は“着物"だった。

「じゃあ」
と言って、その着物くんは立ち去った。


「カッコイイ………」

思わず声が漏れてしまうほどだった。

私はギュッと“魔法の恋"を抱きしめた。


私、すごい物を見ちゃったかも………
そう思った私は、顔の前で両手を合わせる。

これは、拝んでおいた方がいい。

その時すごい視線を感じたけど気づかなかったことにしよう………
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