15歳のラビリンス
ミスマッチ
学校が終わって、一度家に帰り私服に着替える。
宿題の歴史のノートと教科書をカバンに入れて、学校近くの図書館に行く準備をした。
「何?出かけるの?」
ごそごそと準備をしていた私の部屋を覗いたお母さん。
自転車のカギを探していた私は顔を上げた。
「カンナと歴史の宿題を……」
「友達と宿題なんてはかどらないでしょ?どうせ、おしゃべりばっかり……」
ああ、いつもの小言が始まった。
これ以上黙って聞いてたら、断りなさいとか言われそう……。
「あ、美織?!」
「いってきまーす!」
自転車のカギをあきらめて、カバンをつかむと私は慌てて家を飛び出した。