15歳のラビリンス
シャワーを浴びても、イライラはおさまらなかった。
キュッとしめて、お湯を止めると、ボディソープを乱暴につかんで、ポンプを2回押す。
イライラしてたから、ゴシゴシといつもより力強く体を洗う。
学校にも塾にも電話して…私をどんな受験生として生活させたいんだろうか?
そんな心配なら首輪でもつけて、ひもにでもつないでおけばいい。
学校にも塾にも行かないで、自分で勉強教えて、自分の望みどおりの志望校に放り込んでくれればいい。
ジャーッとシャワーを出すと、泡が流れて消えていく。
「…っ」
その光景を見てたら、いつかジンとの時間もこうやって泡のように静かに流れて消えていってしまうような…
そんな恐怖感がわきあがってきてしまった。