15歳のラビリンス
アツシはうちの向かい側に住んでいて、物心付いたときからの幼なじみ。
だから、直接相手に話をしなくても、お母さんから状況が耳に入ってくるっていう仲。
お母さん同士が仲良いから、秘密にしてる事も筒抜け。
「この前、愚痴こぼしてたみたいだから。テスト前だってのに遊んでばかりだって」
「…いいね、アツシは。成績いいからうちのお母さんが喜びそうな志望校だもんね」
アツシの話が入ってくるから、お母さんも私を同じとこに行かせようとしてんじゃないかって思っちゃう。
口を開けば、
「あっちゃんはまっすぐないい子に育ってていいわね~」
だもん。
ひんまがって育ってて申し訳ありませんでしたね。