15歳のラビリンス
追い込みすぎ……かぁ。
家より外の方が気が休まるとかおかしいのかなぁ。
「宿題の期限、まだ先だし、本あるよね」
「……多分」
同じ宿題が出ると、図書室じゃ本の取り合いになるし、とことん追究しようとする奴は、学校の図書室だけじゃなくて、近くの図書館にまで資料を探しに来る。
だから、あまり遅くやろうとすると本が全くない状態に……。
「ああーっ!」
「何?!」
自転車を停めようとしたカンナが急に大きな声を上げたから私はビクッとなった。
「肝心のノート忘れたっ!」
「もー、何やってんの?」
「とってくるから、先にやっててーっ!」
ヒラリと自転車に飛び乗り、カンナは猛スピードで家の方に向かっていった。