15歳のラビリンス
ため息をつきながら私は図書館へ入った。
この静かな雰囲気大好き。
1人でもここならずっといられる。
席を二人分確保して、私は資料を探しに行く。
歴史関連の本棚は、絵本コーナーと違って人の気配もなく探しやすい状況だった。
期限がまだ先のせいか、借りられている様子はなかった。
よさそうな本に手を伸ばした時、別方向から手が伸びてきた。
同じ本をとろうとして指先が触れる。
「ご、ごめんなさい……」
「こちらこそ」
慌てて手を引っ込めて謝りながら相手を見て、私は思わずギョッとした。
ここの空間には似合わない、すっごい明るい茶色の髪。
ピアスもキラキラと光っている。
……ってかこの人、うちの学校の一つ下の学年の不良じゃないかっ!