15歳のラビリンス
昇降口に行くと、カンナとバッタリ会った。
カンナが私と同じ時間に来る事は珍しい。
「美織、おはよう」
「おは…」
上靴にはきかえようとしていたカンナは私に気づいて顔を上げた。
言葉よりも先に涙が落ちる。
「…ちょ、美織どうしたの?」
「カンナぁ…。終わっちゃったよ…。ジンにサヨナラ言われたぁ…」
こらえきれずに私はその場に崩れ落ちた。
吐き出せた事で気が抜けたのもあったかもしれない。
カンナは何も言わずに私の腕を引っ張った。