15歳のラビリンス


2年生が帰ってきたのは夕方だった。


カンナと誰もいなくなった教室で、ずっと待ってた。



グラウンドに集まってた2年生は荷物を持ち、解散となった。




「美織?仁哉帰っちゃうよ?」



様子を見ていたカンナが私の方を振り返る。


会いたい気持ちでいっぱいだったはずなのに、今になって怖くなってきた。


自分の席に座ったまま、動けない。



「…んもう。仁哉帰っちゃったじゃん。どーすんのよー?」


「…うん…」



話すって決めたのに、実行できないのは私の悪いところ。


座ったままの私を見て、カンナはため息をついた。


< 137 / 338 >

この作品をシェア

pagetop