15歳のラビリンス
2年生が帰ってきたのは夕方だった。
カンナと誰もいなくなった教室で、ずっと待ってた。
グラウンドに集まってた2年生は荷物を持ち、解散となった。
「美織?仁哉帰っちゃうよ?」
様子を見ていたカンナが私の方を振り返る。
会いたい気持ちでいっぱいだったはずなのに、今になって怖くなってきた。
自分の席に座ったまま、動けない。
「…んもう。仁哉帰っちゃったじゃん。どーすんのよー?」
「…うん…」
話すって決めたのに、実行できないのは私の悪いところ。
座ったままの私を見て、カンナはため息をついた。