15歳のラビリンス
「…じゃー、わかった。私が電話して呼び出すよ。そしたら心の準備もできるでしょ?」
「え?電話…?」
「そうじゃないと、美織、ずっとここに座ったままになりそうだし。すぐそこだからもう家にいるでしょ」
ジンの家は学校から目と鼻の先。
カンナはそう言って、教室を出て行った。
1階の事務室脇には公衆電話が設置してある。
多分、そこに行ったんだろう…。
カンナが戻ってくるまでに、私は心の準備をしていなければならない。
何をどう話そう…?
私の気持ちをどう伝えよう…?
深呼吸をしながら頭の中で言葉を整理していた。