15歳のラビリンス


「…わかった。ありがと、カンナ…」


「美織…」


「…いくら好きでもあきらめなきゃいけないんだよね…。恋愛は一人でするものじゃないんだもん。これ以上嫌われたくないし…」



精いっぱい笑おうかと思った。


だけど…。



たった2ヶ月という短い期間でもジンとの思い出がありすぎて、簡単に自分の中で終わりにする事なんかできない。



涙がぽたぽたと落ちる。



そこで初めて気が付いた。




…これが、人を好きになるって事…。


苦しいほど人を好きになった事ない私にとっては、本物の恋だった。



15歳で経験するには辛すぎたかもしれない…。


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