15歳のラビリンス
通知表をもらう頃は、ジンとの関わりは一切なかったので、帰宅時間が遅くなったりとか、親に口答えしたりとか、そういうのがなかったからかもしれない。
バカみたいに親に反抗するんじゃなくて、いい子を演じればよかったのかもしれないけど…。
私にはそんな器用な事、できるわけがなかった。
「…お母さん。明後日、お祭りがあるんだけど、行ってもいいかな…?」
「明後日?」
遠慮がちに言うと、お母さんは冷蔵庫に貼ってある私の塾の予定表を見た。
明後日も夕方まで夏期講習。
次の日は休みだった。
「…あまり遅くならないうちに帰ってくるのよ?」
「…はい」
やはり、最近はおとなしくしてるせいかあっさりと許可がおりた。