15歳のラビリンス
ちょっとは遠慮しろよーっ!
しかもタメ口きくな、ばかーっ!
去って行く彼の背中を見つめながら、私は心の中で叫んでいた。
「何かあったの?」
「別に……」
ムッとした表情が顔に出ちゃってたかもしれない。
カンナが隣の席に座って私を見て、不思議そうに聞いてきた。
「一番大事なノート忘れちゃうなんて私もバカね」
「それはアホだな。宿題やるのにノート忘れるとかバカがやること」
言っておくけど、私のセリフじゃない。
声の主は、私とカンナの正面に腰をおろした。
……さっきの無礼な二年生だ。