15歳のラビリンス
でも、正直なところ、許可がおりても特に嬉しさはなかった。
カンナと出かける事に不満があるわけじゃない。
ただ、ジンに会いたいようで会いたくないような複雑な気持ちが私の中であったから。
あきらめようとしてるけど、まだ私の心にはジンがいる。
会ってしまったら余計にその想いは大きくなるだろう。
そのうえで、もしジンが他の女の子とお祭りに来てる姿を見たら…。
あまり考えたくないけど、覚悟しておいたほうがいいとは思う…。
恋する女の子にとって、解放的な夏はイベントで好きな男の子と距離を縮める絶好のチャンス。
私だって今まで、友達と集まって好きな男の子のグループと何度花火をやって盛り上がった事だろう…。
夏祭りなんて、絶好の場所じゃん…。