15歳のラビリンス
スッキリしないまま、祭りの日の当日を迎える。
塾が終わった後、一度家に帰ってからカンナとの待ち合わせ場所に向かった。
向かう途中でバッタリ彩乃と貴昭の二人に会った。
「美織もお祭り行くの?」
「…うん。カンナと待ち合わせしてて…」
彩乃にジンの手紙の事は言ってないけど、多分貴昭から話が伝わってるだろう。
私も二人の姿を見るのは少し辛く、彩乃とも距離を置いてた。
それは彩乃もわかってたみたいで、気をつかってくれてたようだった。
「彩乃…も?」
「…うん」
彩乃は私がジンと二人でお祭りに行く約束をしてた事を知ってる。
私の問いかけに答えにくそうにしながらもうなずいた。