15歳のラビリンス
会場である小学校からはお祭りの音楽が聞こえてくる。
本当に小さいお祭りだけど、この町内じゃ毎年夏には欠かせないイベントの一つになってる。
これが終わるともうすぐ7月も終わりだな~って…。
「あっ」
「おっ」
ボーっとしながら小学校の校庭に入ったとたん、カンナが声をあげた。
ほぼ同時に声が返ってくる。
…この声、もしかして…。
顔を上げると、思い描いた人がいた。
…未だに忘れる事ができない、私の好きな人…ジン。