15歳のラビリンス
久しぶりに目が合ってドキドキした。
私は小さくうなずく。
「そっか…」
それを見てジンは納得したようにうなずいた。
気にかけてくれたのは嬉しい…。
でも、中途半端な優しさは欲しくないよ…。
別れを告げたのなら、優しくしないで。
あきらめられなくなっちゃうから…。
「んじゃ、行くわ」
「じゃーねー」
静かに去っていくジンにカンナはブンブンと手を振った。
友達…なら気軽に話しかけたりできるのにね。
私はカンナがうらやましいと思ってしまった。