15歳のラビリンス
「ねえ、ジンがサッカー部の顧問に呼ばれた日っていつ?!」
「いつって…。あ、あれだ。6月最後の金曜日」
6月最後の金曜日…?
ジンが塾に迎えにきてない金曜日だ。
しかもその二日後に手紙で別れを告げられた…。
…ジンは私の事が嫌いになったから別れを告げたんじゃなかったの…?
もしかして、先生に言われてしまったから…?
『苦しいくらい大好きだよ』
最後の言葉が頭をよぎる。
「…深川。もう追うな、仁哉を」
「どうして?!私、ジンに…」
「お前が好きでも、どんな事情で別れたとしても、仁哉との仲は終わってる。お前は元彼女なんだよ。…見ただろ?さっき」
さっき…。
アツシ、やっぱりさっきの見てたんだ…。