15歳のラビリンス


「ねえ、ジンがサッカー部の顧問に呼ばれた日っていつ?!」


「いつって…。あ、あれだ。6月最後の金曜日」



6月最後の金曜日…?


ジンが塾に迎えにきてない金曜日だ。



しかもその二日後に手紙で別れを告げられた…。



…ジンは私の事が嫌いになったから別れを告げたんじゃなかったの…?


もしかして、先生に言われてしまったから…?



『苦しいくらい大好きだよ』



最後の言葉が頭をよぎる。



「…深川。もう追うな、仁哉を」


「どうして?!私、ジンに…」


「お前が好きでも、どんな事情で別れたとしても、仁哉との仲は終わってる。お前は元彼女なんだよ。…見ただろ?さっき」



さっき…。


アツシ、やっぱりさっきの見てたんだ…。


< 166 / 338 >

この作品をシェア

pagetop