15歳のラビリンス
「…アツシにはわかんないよ!私の気持ちなんか!」
「…わからなくていい。受験生っていう状況はどんなにわめいても変えられない」
冷ややかにそう言うと、アツシは自転車に乗って行ってしまった。
ずっといい子で通ってきてるアツシに私の気持ちなんかわかりっこない。
…いくら幼なじみだからって、成績優秀者のアツシと比べられてる私の気持ちなんか…。
乱暴に自転車を出すと、怒りにまかせて自転車をこいだ。
あんまりスピードを出すと、アツシに追いついてしまう。
同じ方向に帰るってやっかいな話だ。
だからって帰らないわけにもいかないし。
日がかたむく中、適当なスピードで走ってた。
早く帰って麦茶飲みたいし、クーラーの効いた部屋に入りたい…。