15歳のラビリンス

夕暮れ時



「…そっか。近藤里美と…」


「…うん、多分…」



木陰のベンチにカンナと並んで座りながら私はサイダーを飲んだ。



8月も半分が過ぎた。


テレビでは高校野球が毎日放送されていて、高校球児にとっても戦いが続いてる。



私も明日から後期の夏期講習が始まる。


前期の最後の試験、あまり手ごたえなかったからクラスダウンするかもしれない。




私は夏期講習の時に近藤さんを迎えに来てたジンの話をカンナに報告したところだった。



「…んでも、あいつ、今さら近藤里美と付き合うかなぁ…」


「噂でしか聞いた事ないけど、フリーの時ってあんまりないんでしょ?ジンって」


「でもなー…」



あまり納得いかないような表情で首をかしげるカンナ。


< 171 / 338 >

この作品をシェア

pagetop