15歳のラビリンス
2学期
金色の2年生
夏休みが明けた。
さすがに去年のように真っ黒に日焼けした子はいない。
私もそうだけど、塾通いで自転車焼けをしてる人がいっぱいいる。
久しぶりに学校に来たけど、誰も夏休みの感想なんか言わない。
聞かなくても、誰もが塾の夏期講習で忙しかったってわかるし。
「おはよう」
「…おはよ」
カンナに声をかけられたけど、私はそっけなく返した。
何となくあの日から気まずい。
カンナと会うのもあの日以来だった。