15歳のラビリンス
学校で話すのも目立つからだろう。
私は紙切れをグシャッとつぶすと、再びポケットにしまった。
今日は始業式だけで終わり。
帰りの会が終わると、私はすぐに教室を出た。
「美織」
靴をはきかえてると、カンナが声をかけてきた。
「…?」
「さっき、始業式の最中に晃輔にメモもらってなかった?」
カンナ、私の後ろだから見えてたんだ…。
私はうなずいて、上靴を戻した。
「ごめん、急ぐから…」
「私も行っちゃだめかな?」