15歳のラビリンス
「…え、でも…」
「仁哉の事でしょ?私も知りたいもん」
友達…だから?
それとも…?
「カンナ、今はやめなよ。美織、一人で行かせてあげなよ」
困惑してると、彩乃が来て冷ややかに言った。
その言葉にカンナは一瞬、戸惑ったような顔を見せたけど、すぐに平然とした顔になる。
「けど、私は…」
「今さら美織の味方ぶらないでよ。カンナは仁哉達について知らない事があるのが気に入らないだけでしょ。そうやって去年みたいに親身になるフリして友達の彼氏、奪い取るつもりでしょ?」
親身になるフリして友達の彼氏を奪い取る…?
彩乃はカンナをにらみつけると、靴をはきかえた。