15歳のラビリンス


「美織、行くよ」


「あ、彩乃…?」



カンナの様子をうかがいつつも、彩乃に引っ張られて私は昇降口を出た。


一体どういう事…?


去年、カンナが友達の彼氏を奪ったって話は何?



「彩乃、今の話…」


「…2組のさっちゃん。何で去年、ユキオと別れたか知らなかった?」



2組のさっちゃんは、私と1年の時同じクラスで、今でも塾が同じだから時々話す事あるけど、ユキオと別れた理由は知らない。


ユキオは私と同じクラスでこれまた、塾も同じ…。


上手くいってたように見えてたから、別れた時は私もショックだった。



「ユキオがカンナの事好きになったから…だってさ」



そう言った彩乃の目はひどく冷たいものだった。


< 193 / 338 >

この作品をシェア

pagetop