15歳のラビリンス
「美織って本当、のんきだよね。あんなに一緒にいて気が付かないって。…私は最初からカンナを警戒してた。だから私の事については一切自分の口からしゃべってない」
「彩乃…」
「…男に好かれるタイプなんだって思う。自分で意識しなくても、そういうのが出ちゃってるっていうか…」
わかってる。
カンナはサッパリした性格だから、話しやすいって思う。
…カンナ、ジンの事が好きなの…かな…?
「…美織。不安あおっちゃってごめん。あまりに鈍すぎてイライラしたから八つ当たりしちゃった」
「ごめん。私、そういうとこ気づかなくて…」
「…心配する事ないから。カンナは仁哉が好きなんじゃない。仁哉とカンナは純粋に友達なんだと思うから。…カンナが好きなのは多分…」
多分…?
彩乃は言いかけて口をつぐんだ。