15歳のラビリンス
ベンチから立ち上がったこうちゃんは、私たち3人を見て首をかしげる。
「あれ?増田いないの?」
「…うん…」
「なんかあったの?」
カンナがここにいない事ってやっぱり不自然なのかな…。
なんか仲間はずれにしたみたいでいい気分じゃない。
「ま、いっか。あいつ大体、事情知ってるし」
「…え?」
大体、事情知ってる…?
私が驚いた表情をした事に、こうちゃんは気づいていないようだった。
「ジンちゃん、夏休みの時から荒れてたんだけど、理由は俺たちにも言ってくれないんだよな」